TTR In The Press

Sao Paulo Shimbun

September 2017

2年半で2兆円超流入 M&Aでは米抜きトップに=中国マネー

  • 中国の投資家らは2015年以降、ブラジルでの企業買収にすでに600億レアル(約2兆1000億円)をつぎ込んでいるようだ。

11日付で伝えた伯メディアによると、2017年6月までの30カ月の間にブラジルの企業もしくは資産を購入するために当国に流入してきた資金の3割は中国からやって来たものだ。その額は総額600億レアルに達し、中国人投資家らはM&A(企業合併・買収)における外国人投資家として米国を抜いて頂点に立った。

TTR(Transactional Track Record)のデータによると、16年には、中国人投資家らはブラジルの資産購入に対して239億6000万レアル(約8386億円)を投じた。これは米国人投資家らによって投じられた額(134億レアル)の1.8倍だ。この傾向は17年上半期(1~6月)においても見られた。今年前半6カ月間の米国人らによる投資額は123億レアル、そして中国人らによる投資額はその1.4倍の178億レアルだった。

銀行各行の幹部らは、17年の中国人投資家らの動きは昨年よりも激しいものになると見ている。

投資銀行、BTGパクチュアル(BTG Pactual)の共同経営者であるブルーノ・アマラル氏は「ブラジルでの投資に対する彼らの欲望の減退を示すものはなにもない。彼らは17年と18年に重要な役者であり続けるはずだ」と話す。

また、イタウ・ウニバンコ(Itaú Unibanco)グループのホールセール(大口金融業務)銀行であるイタウBBA(Itaú BBA)の投資銀行領域の役員であるグリーンレス氏は「今年は16年よりも多く(中国人投資家からの)問い合わせがある」と明かし、「中国人らの投資は波のうねりのように起こっている。彼らの投資はまず自然資源分野に、その後はエネルギー分野に、そして今は港湾や空港を中心とするインフラ分野に流れ込んでいる」と話す。

さらに、サンタンデール銀行(Santander)のデュプイ副頭取は、16年には2件だったが、今年は中国人らが関係する大きな案件を同行は6件抱えているとし、「(彼らは)食品、飲料、コモディティ、不動産といった分野で事業を起こすはずだ」と話した。

ブラジル中国商工会議所(CCIBC)のチャールズ・タン会頭によると、中国人らは金融、衛生、エネルギーといった分野での成長を望んでいる。タン会頭は「政府が廃棄物エネルギーの入札を行う可能性を探るよう我々に求めた企業が1社ある」と述べ、さらに、送配電用ケーブルのメーカーもブラジルの評価を行っていると明かした。

◆セアラー州の保健事業に40億ドル投資へ

14日付報道によると、セアラー州政府は中国の国有企業、中国医薬品健康産業株式有限責任会社(China Meheco Corporation)及び中国の政策銀行の一つである国家開発銀行(CDB)との間で、同州の保健分野における40億ドルの投資に関する覚書を交わした。なお、報道においては、覚書を交わした日時は明らかにされていない。

中国によるこの巨額投資は、セアラー州内での公立病院の建設や、既存施設の改修、各種機器や医薬品の購入などに充てられることになる。

同州のカミロ・サンタナ知事(PT)はこの週末に中国を訪問することになっており、中国滞在中には、同州への投資について話し合うCDBの代表者との会合が予定されている。

2017年9月16日付


Source: Sao Paulo Shimbun - Brazil 


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